人に貸している土地を底地、その権利を底地権、貸している人(地主)を底地権者と言います。

なお、人に借りている土地は、それぞれ借地、借地権、借地権者です。

底地権は、土地の所有権ですが、土地に建物を建てたり利用する権利は借地権の方にありますから、それらのことはできず、主に借地人から借地料をもらえる権利です。

また、借地権については、自分の都合で返してもらえることはほとんどありません。

そのため、底地権だけでは非常に安い金額でしか売却することができません。

底地の売却方法

通常の価格で売却するには、以下のどちらかの方法を取る必要があります。

  • 借地権者に買ってもらう
  • 借地権者と一緒に第三者に底地と借地を同時に売却する(底借同時売買)

また、隣地との位置関係等によっては、隣地所有者が高く購入してくれることもあります。

底地の価格

底地の価格は、以下のような計算式で考えることができます。

想定価格 = 面積 × 想定相場地価 × 地型補正 × 底地権割合

※想定相場地価 = 路線価 × 1.25 × 市場地価・公示地価倍率
※上記の1.25は路線価に対する公示地価に対する倍率(全国一律)

土地の価格は、借地権者に売却する場合には、路線価を1.25倍した公示地価ベースの価格とすることが多いです。

第三者に売却する場合には、その時の市場地価に基づきます。

市場地価の公示地価に対する倍率は、エリア等によって異なりますが、概ね1.0に近く、0.8~1.5倍の範囲を超えることはほとんどありません。

なお、旗竿地など不整形地の場合には地型補正が必要になり、土地の形状に応じて0.7~1.0倍ほどになります。

一般的には、底地権者の取り分は、土地価格の50%から30%くらいです(借地権割合70%の場合)。

まとめ

どの方法で売却するにしても、物件について十分な調査を行わないと取れる選択肢・目指す金額が決まりません。

また、どの方法でも借地権者が大変重要な役割を果たすため、借地権者との交渉は慎重に行う必要があります。

したがって、底地の売却にあたっては、まずは入念な調査を行うことが重要です。