マンションの売却については、近年、リノベーション再販事業(リノベ再販)を行なっている不動産会社が買い取るケースがかなり増えています。

ここでは、マンションの買い取りについてご説明します。

リノベ再販とは?

リノベ再販とは、以下のような事業のことです。

  • 内装や設備などが古くなって傷んだマンションを
  • 不動産会社が買い取り
  • 内装をリノベーション(大掛かりなリフォーム)した上で
  • 一般の人へ改めて販売する

また、この事業を行っている不動産会社をリノベ再販業者と呼びます。

少し古い記事ですが、リフォーム産業新聞(1315号(2018/06/05発行))によれば、大手マンションデベロッパー20社のうち、同事業を手掛けているのは15社に上るということで、いまやマンションの買取再販事業を行うのは、不動産会社にとって当たり前になっています。

リノベ再販の件数

こちらも少し古い記事ですが、同じくリフォーム産業新聞(1322号 (2018/07/30発行))によれば、2018年のマンションのリノベ再販物件の販売は上位10社で約9,500戸でした。

これがどれくらいの量なのかを、東京のマンションのデータで確認してみましょう。

国土交通省および東京都都市整備局の資料によれば、2018年末の日本の分譲マンションストック総数は654.7万戸、東京の分譲マンションストックは184.1万戸です。日本の分譲マンションストックの約28%が東京にある計算です。

ですから、単純に計算すると、販売された9,500戸の28%、およそ2,660戸が東京で買い取られたと考えられます。

次に、成約件数を確認しましょう。公益財団法人 東日本不動産流通機構(以下、レインズ)によれば、2018年の東京都の中古マンション成約件数は19,087件でした。

不動産会社の買い取り契約は、通常、レインズの成約件数に含まれていないので、その分を考慮して計算すると以下のようになります。

2,660件 ÷(19,087件+2,660件)= 約12.2%

計算上、売買件数全体の10%を超えるボリュームがあり、また、東京はリノベ再販ビジネスが他のエリアに先行していることを考慮すると、実際にはもっと多いと考えられます。

まとめ

個人的な感覚としては、仲介の現場でも、マンションの売買契約全体のうち5~7件に1件、およそ15~20%くらいが、こういった再販業者が買い取る契約になっているように感じます。

どのマンションも毎年少しずつ古くなっていきますから、今後さらに不動産会社による買い取りは増えていくでしょう。

このように考えると、「マンションを不動産会社に買い取ってもらう」ことは、特殊なケースではなく、すでにメジャーな売り方の一つになっていると言えます。

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