査定依頼は、不動産会社にとっては、不動産の売却を任せてもらえるかどうかが決まる非常に重要なイベントです。
そのことを知らずに、軽い気持ちで査定依頼をすると、思わぬ失敗をしてしまう可能性があります。ここでは、査定依頼をする時にはどんな心構えが必要なのかをご説明します。
査定依頼が売却成功のカギ
不動産の売却を考えて準備を進めていくと、不動産の価格を「査定」してもらう、ことが最初のステップになります。
「そうか、じゃあさっそく問い合わせをしてっと・・・」
いえいえ、ちょっと待ってください!
実は査定依頼が、売却の成否を左右する、本当に大事なところです。
不動産会社は、査定をスタートとして、営業活動を始めます。この営業活動というのは、あなたに「不動産をウチを通して売ってください!」と働きかけることです。
実は、査定依頼を受けた時点で、不動産会社の担当者は、本気で営業を始めています。
不動産会社にとっての査定依頼の意味
不動産の売買仲介は、自分が担当する売却物件が無いと業務の組み立てが非常に難しい仕事です。
売却物件を任せてもらえれば、下記のようなことが期待できます。
- 物件が売れたら売主様から仲介手数料がもらえる
- 売却物件の広告で購入希望者が来てくれれば、購入の仕事につなげることができる
- 担当物件の購入者を自分で見つけることができれば、購入者からも仲介手数料がもらえて、報酬が2倍になる
- 購入者が家の買い替えであれば、今の自宅の売却も担当できる
- 売却物件の広告を見て近所の人が自分も売りたいと相談してくれるかもしれない
逆に、担当している売却物件がなければ、購入検討者の集客もできず、売却を手伝う仕事もなければ、購入を手伝う仕事も無い、となってしまいがちです。
つまり、不動産会社から見ると、売却物件というのはそれ自体が仕事である上に、強力な集客ツールでもあります。
ですから、買う人を探すことよりも、売る人を探すことをはるかに重視しているのです。
査定依頼時の心構え
このような理由で、担当者は査定対応に非常に真剣に取り組んでいます。
したがって、売却を依頼した後に、その担当者が査定対応を超えるパフォーマンスを出せることを期待すべきではありません。
査定対応の時に「いまいちな気が・・・」と思ったら、その不動産会社・担当者は避けたほうが良いでしょう。
このように、査定依頼は、最初にありながらも、最後まで効いてくる重要なステップですので、しっかり準備をして臨む必要があります。